一歩進む欧米の省エネ住宅制度 1

日本の住宅は、欧米に比べ断熱性能が劣ると言われます。もちろん風土環境の違いがありますが、近年は、日本でも冷暖房が普及し、省エネ効果を高めるための断熱性能の向上が求められています。住宅の断熱性を高めると、冷暖房の効きが格段によくなり、少ないエネルギー消費量で快適な生活を送ることができます。資源エネルギー庁の「住まいの省エネ性能診断」調査によると、首都圏の戸建住宅では、約半数が、断熱性能が最低ランクとされています。断熱性能の低い家では、いくら冷暖房をやっても、効果はそれほど高まりません。

消費電力が多い割合に冷暖房効果が薄いということになります。その点、欧米では、住宅の省エネ化とその評価制度が日本に比べ大いに進んでいます。ドイツでは、2008年からすべての新築住宅に、住宅のエネルギー性能を数値化し、それを表示する制度が設けられています。

この制度は「エネルギーバス制度」と呼ばれ、その住宅が一年間にどれだけのエネルギーを必要とするかを数値化たもので、一目で省エネ性能が分かります。いわば、住宅の「燃費性能」ともいえます。少ないエネルギー消費で、住宅の冷暖房効果がわかるというわけです。ドイツだけでなく、現在ではEU(欧州連合)全体の国々で制度の運用が始まっています。

●Information
資源エネルギー庁

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