日本の自然エネルギー資源として見逃すことのできないものに、地熱資源があります。火山の多い日本では、地熱資源が極めて豊富です。国内に温泉地の多いこともその理由になっています。地熱を利用した、地熱発電の技術は日本は世界一と言われます。地熱関係機材の世界の市場の7割を日本製の機械が占めているほどです。
地熱発電は自然エネルギーのなかでも、出力が安定しており、電力供給の中で果たす役割が大きいとされています。太陽光発電や風力発電などは、お天気任せの電力なので、気象条件によって、出力が変動します。変動を調整するためには、火力発電など他の電源が必要になります。その点、地熱発電はそうした電源を必要としないので効率的なのです。
国は今後、地熱発電の導入を大幅に拡大する方針を打ち出しています。現在、地熱発電は、約53万kWですが、2030年には、388万kWに増やす計画です。388万kWといえば、100万kWの原子力発電3.8基分に相当する規模です。計画実現のためには、政府による積極的な支援策が求められます。