将来の日本は、資源に乏しいどころか、エネルギー資源のきわめて豊かな国に変貌をとげるでしょう。水資源以外のエネルギー資源としては、日本にはバイオマス資源が豊富です。バイオマスは植物などの生物起源の資源であり、二酸化炭素を排出しない、クリーンエネルギーとされています。
典型的なバイオマス資源として、木材があります。木材を燃やすと、二酸化炭素を発生しますが、その二酸化炭素は、樹木が生長するために取り込んだ大気中の二酸化炭素です。したがって、バイオマス資源は、CO2に対して「カーボンニュートラル」(中立的)なのです。バイオマスは木材だけではありません。
森林における間伐材、稲わら、家畜の糞、食品廃棄物、廃食油など、これまで利用されていなかった、いわゆる未利用資源が、バイオマスとして活用できるのです。バイオマス資源は、山林や農村、漁村など、地方には多くの資源が眠っています。
これらの資源を集め、熱エネルギーや電気エネルギーとして取り出すことができます。また、木質バイオマスから低コストで効率的なエタノールを製造することもできます。さらに、バイオマスを燃料として利用するだけでなく、石油系プラスチックに代わるクリーンなバイオプラスチックなどの開発も期待されています。