欧州は日本とは違って、それぞれが陸続きで、送電線もつながっています。そのため外国から電力を買うことができます。原子力発電から撤退した国の人たちも、外国から原子力発電を買ったり、再生可能エネルギー電力を買うことができるのです。そうした地理的条件の違いもあり、日本はこれまで、自由化が遅れていたのです。
しかし、エネルギーをめぐる情勢の変化から、日本でも、2016年から一般家庭などを含めた電力の全面自由化が実施されます。これまでは、部分自由化という形で、工場などの大口需要家には自由化が行われ、電力会社以外の新電力と呼ばれる発電事業者から電気を買うことができました。
全面自由化をにらんで、最近は、再生可能エネルギーの発電事業者なども電気事業に参入しています。ただ、送電網などはいぜん地域電力会社に独占されているので、完全な自由化にはその点の解消も課題です。