スマートグリッドで効率的なエネルギー社会 2

従来の大規模集中電源では、需要のピークに備えた電源を作る必要があるため、設備コストは非常に大きなものになります。需要のピークは、エアコンが一斉に稼働する猛暑の数日間など、年間のうちでも限られた期間です。そのための発電設備を作ることは、大変ムダであるといえます。そうした設備コストは、最終的には、電気料金に上乗せされるため、電気料金上昇の要因にもなります。

スマートグリッドは、大規模集中型電源と分散型電源をネットワークでつなぎ、IT(情報通信)技術を活用して、電力の需要と供給を自動的に管理する仕組みです。太陽光発電などの自然エネルギー発電が過剰になった場合、大規模集中型電源の発電を抑え、逆の場合は、発電量を増やすと言った需給管理が効率よく行えるのです。

さらにIT技術によって、消費者と発電事業者との双方向通信が可能になり、需要ピーク時には、エアコンの節電を求めることもできます。また、天気予報をもとに、家庭の太陽光発電電力を調節することもできるようになります。節電が自動的に行われ、電力の供給が過不足なく、最適利用が実現する社会は、スマートコミュニティと呼ばれます。スマートグリッドによるスマートコミュニティの実現は、もうすぐやってくると思われます。

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