雪を夏の冷房に活かす

この冬、寒波の襲来で、各地に大雪を降らせ、さまざま被害をもたらしています。この、厄介(やっかい)者の雪を、夏の冷房や、食料の保冷などに活かす取り組みが各地で進んでいます。もともと日本には、昔から、雪や氷を山の斜面や地中などに穴を掘って貯蔵し、夏の季節に、涼をとるために利用したり、食料を長持ちさせるのに利用した、「氷室(ひむろ)」という方法が用いられていました。

そうした昔の人達の知恵を活かして、雪や氷を大量に貯蔵し、冷房などに利用する、「雪冷房システム」が北海道で登場しています。美唄(びばい)市に建設されたマンションでは、雪解け水を冷媒として、熱交換機で空気を冷やす「冷水循環式冷房」を日本で初めて導入しました。1000トンの雪を毎年春に貯蔵し、24戸の冷房をまかなっています。

新潟県上越市の安塚(やすづか)中学校では、教室の冷房に雪冷房システムを導入し、溶けた水もトイレなどに無駄なく利用しています。食品業界では、食品を低温貯蔵するのに、雪を利用しているところも多いようです。

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