行き場のない核のごみ

原子力発電に対する反対論として、その危険性と同時に、放射性廃棄物すなわち核のごみの処分方法が確立していないことがあげられます。電力会社では、技術的には放射性廃棄物の処分の安全性は確立されているとしています。しかし、最終処分場の場所のめどは、日本ではまだ立っていないのが実情です。

100万kW級原子力発電1基を運転すると、年間約1トンのウランを燃やします。それに伴って生じる放射性廃棄物は2010年9月末時点で1万3500トンとなっています。すでに、管理できる容量の7割近くに迫っています。現在、原子力発電の運転は止まっているので、容量が限界になるのは、先に延びる見通しとなっています。しかし、原子力発電が再稼働すれば、近い将来、スペースが満杯になるのは明らかです。

日本では、放射性廃棄物である使用済み燃料をリサイクルして、再び燃料として燃やす方針がこれまで示されていました。しかし、相次ぐ事故やトラブルなどで、そのメドは立っていません。放射性廃棄物の処理・処分は現在のところ宙に浮いた状態であり、核のごみは、行き場を失った状況の陥っているといえます。

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