地域ぐるみの冷暖房システム

冷暖房や給湯といえば、日本では、個別の家庭でそれぞれのエネルギーを使うのが普通です。しかし、欧米の国々では、地域冷暖房システム(地域熱供給事業)が普及しています。地域全体で、冷暖房や給湯のエネルギーをつくり、供給するシステムです。

使うときは、もちろん、それぞれの家庭が、スイッチの操作をします。こうした広い範囲の住宅やオフィス、店舗などに熱エネルギーを供給することは、エネルギー利用の効率化につながるとともに、省エネルギーにも役立つのです。例えば、火力発電の場合、電気を作るときに排熱が生じます。その排熱をムダにすることなく、地域の冷暖房や給湯に使えば、エネルギー消費を効率化が可能になります。

デンマークやフィンランドでは、こうした排熱などを使って、国全体の熱供給の約5割をまかなっていると言われます。地域熱供給をエネルギー政策の基本に据えている国も多いようです。日本の場合、これらの国々にはまだ及びませんが、近年、地域熱供給事業が広がっています。こうした地域ぐるみの熱供給事業は、日本では、省エネを促進する観点から、さまざまなエネルギーを使っています。例えば、河川や下水の熱をヒートポンプで汲み上げ、その熱を冷暖房用に利用するシステムが登場しています。

コメントは受け付けていません。