壁を緑で覆う 1

壁に西日が当たると、室内の温度が上昇します。近所の建物の壁や、駐車場のアスファルトなどからの照り返しも、温度上昇を促進します。照り返しを避けたり、自宅の室内の温度上昇を抑えるには、壁の緑化が効果的です。壁に植物をはわせたり、壁の前面に植栽を設けることを壁面緑化といいます。

植物の葉の蒸散作用によって、周囲の温度を下げたり、日差しを遮ることで、温度上昇が抑えられるのです。屋上緑化とともに、壁面緑化にも、自治体が補助金を出すところが増えています。屋上緑化や壁面緑化は、エアコンなどの省エネ効果だけでなく、町や地域の景観を向上させることにつながるという理由からです。

町全体を緑で覆うことは、コンクリートやアスファルトなどによる、ヒートアイランド化を緩和することに役立ちます。東京都の調べによると、都内で実施されている壁面緑化の実態調査の結果、「直接登はんタイプ」が49%、「壁前植栽タイプ」が34%を占めています。「直接登はんタイプ」というのは、つる性の植物を外壁に沿って、這わせる方式で、茎や根が上に上っていくことからこの名前がついたようです。

「直接登はんタイプ」の壁面緑化の代表例は、甲子園球場の外壁とされています。大正13年(1923年)に、景観と省エネを考えて設計されたと言いますから、まさに壁面緑化の草分けでしょう。真夏には、温度が、外に比べ6度以上も低いときがあると言います。

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